いつ死んだって、いいさ。
そう思っていれば、少しくらいの辛いことだって、気にせずいられる。
たえられない…って思いそうになったら、そこで命を手放すんだ。
何なら、こんなにも飢えて凍えて心細くしてる、
今、この時にだって、いい。
別に、惜しくなんかないさ…。
だって、俺を待っているものもないのだから。
そして今また、そう思っていたあの時の気持ちが、圧倒的な何かのように、ギンコの心を覆い尽くしていく。でも…
ち…がう、違う、あの時と今とは…違う。
違うんだ。判ってくれ、判ってくれよ。
許してくれ…、お前たち…。
震えるように心で叫び、肌もあらわな着物の下で、足を、腕をもがかせて抵抗しようとするのに、体は少しも動かない。鉛のように思い瞼を、必死の思いで開ければ、枯れ草と枯れ葉と、枯れた木しか無かったその場所に、ぽつり、ぽつりと「誰か」が立って、ギンコを「見て」いた。
それら「赤い」彼らは揺れて、
約束、したよね…。
と、そう、さざめいた。
続
ギンコ捕まりました。何を約束したというのでしょう。駄目ですよね、迂闊に約束なんかしちゃあー。
もう逃げたい、死んでしまいたい、死んでもいいって思えてしまう時は、幸せが訪れることなんか、想像したくても出来ないものだって、ほんの少しくらいは判る気がするんですよ。ええ…。
だけど幸せを見つけたら、命が惜しくなるのは当たり前なのです。ギンコさんには生きてて貰わなくちゃ。先生、頑張れ、ギンコを見つけるのだ! 待て次回〜〜なのですよね。
読んでくださり、ありがとうございます。そして影さまにもてんこもりの感謝を! 一枚目の挿絵を飾らせていただきましたですよ♪ 挿絵付! なんて豪華なんでしょうか♪ 小躍りします! ふふー。
10/3/28
常世花檻 とこよ の はなおり 二