パジャマのヒル魔  B





 目茶目茶ヤラシイことしてるって、よく判ってっけど、俺はしつこくヒル魔の乳首を舐めしゃぶって、噛んで、吸って、また舐め回して。

きっと、薄皮一枚剥けたみてぇに赤くなっちまって、ヒル魔、ここが後でヒリヒリ痛ぇだろうなって、思うくらい、時間かけて。今日はいつもと違って、片手が自由だからさ。舌で舐るだけじゃなく、指できつめに摘んで揉みながら、舌を絡ませてやったんだ。

「ひ…っ。…ゃ、ぁあ…っ、も、ぃや…だッ」

 あ、なに、今の。

 すげぇの聞いちまった。ヒル魔のそんな弱音、初めて聞いたんじゃね? ここばっかり弄られるの、そんな辛いんだ。そう言やさっきから、ヒル魔の細ぇ腰が、ヤベぇ震え方してるもんな。でも、

「気持ちよさそう…。オマエ、こういう時、いっつも逆のコト言うもんな」
「う、るせ…ぇッ」

 指の腹で、固く赤くなっちまったそれを、意地悪くクリクリと弄る。脚をバタつかせて暴れ出すから、しょうがなく両脚を大きく開かせて、その上に自分の腰をのっけて動きを封じる。

 胸と腹の間辺りに、ヒル魔のあそこが触れてて、びくっ、びくって、跳ね上がってた。ほら、本当はこんなにイイんだ。大体、こいつが俺のパジャマきて出てきたのだって、ヤって…っていう意味なんだろうしさ。

 必死んなって、浅い息をついて、ヒル魔は凄ぇ苦労して声を押し殺してる。前から思ってたけどさ。なんで? なんでそんな嫌がるの?

 して欲しいんなら、ホシイって言えばいい。キスしたいなら、キスしろって言えばいいし、気持ちいいんならイイって言えばいいのに、そんなに本音が隠してぇの?

 いつまでもオマエがそうだから、我慢強い俺だって、そろそろ気持ちを知りたくなっちまって、それが何故だか、今日の今だったんだ。

 どうせフツーの時にフツーに聞いたって、てめぇはニヤニヤしてるばっかりに決ってるから、エッチしながら聞いちまう、なんて、ヒドイやりかたになるんだぜ。俺ばっか悪ぃワケじゃねぇよ。

「なぁ、ここ、気持ちい?」

 指をそこに立てた。さっきから苛め続けてるトコに、ゆっくり爪を引っ掛けるみたいにして。返事がないからそのまま弾くと、ヒル魔は押さえつけられた腕を、捻るように無理にもがいて、喉の奥から堪んねぇ嗚咽を零す。

「ん…っ、ふぅぅ…ッ。て…め…ッ」
「うん? なに? 罵られてもやめねぇからな。あおって来たのオマエだろ」

 赤く立っちまってる胸のそれは、ヒル魔のあそこと似た色に見えた。そう思うともう我慢してられなくて、俺はすぐに手を下に滑らせる。俺のパジャマの上以外に、下着だけ着てたヒル魔の、その最後の一枚に手を触れた。

 こいつって、ボクサーパンツ派なんだか、トランクス派なんだか、よく判んねぇけど、どっちの時もある。今日はトランクスだったから、下の隙間から手を入れた。するっと入ってすぐに、熱くて固ぇもんに指が届く。

 触ったのは、半分反り返ってるそれの根元んとこ。手触りイイんだ、こいつのこれって。それに、絶対口に出してなんて言えねぇけど、俺のよか小さくて、なんか形とかも可愛いし。

 俺はヒル魔のトランクスの裾を、器用にたくしあげて、片もものところから、それを引っ張り出しちまった。我ながら凄ぇことしてんだけど、なんかもう、止まんねぇよ。

 気付けばヒル魔は、真っ赤な顔してた。耳の先まで染まってて、唇は細かく震えっぱなしだし、耳を澄ませてみたら、喉の奥から小さい声が零れてる。ぁ…ぁ…って、怯えたみたいなエロい声。

「してホシイ? もっと、触ってって、言って…?」
「こん…の、変態っ、だ…れが…ッ」
「やっぱ、オマエ、めちゃくちゃプライド高ぇのな」

 素直な返事がもらえなかったんで、俺はヒル魔のトランクスの裾を引っ張って、一応、それを隠してやった。でもそのまんま引き下がるつもりなんかないから、薄い布地一枚の上から、手のひらでそこを掻き回すみてぇにしてやったんだ。

 目の前のヒル魔の目が、一瞬、泣きそうに揺れて閉じられ、その唇がまた色っぽい喘ぎをもらしやがる。

「ひ、…く、…ぅん…っ」
「なぁ…一回でいいからさ。どうされてぇか、言って欲しいんだけど。このまんまでイイの? それとも直接がイイの? くわえて欲しい? 舐めるのがイイ? いっそ、こっちの方から責めてほしいとか?」

 手を下から滑り込ませて、ヒル魔の奥をつついてやると、ヤツはその一瞬で、酷ぇ暴れ方しやがった。押さえつけてたシャツの袖の片側が、一気に破けて取れちまって、自由になった片手が俺の手を押さえにかかる。

 でもそれも無駄だから。だって、両腕使って押さえつけちまえば、もうヒル魔は全然逃げられなくなる。殆どいつものことなのに、なんでおんなじ抵抗すんだろ。

 ガタイ、俺のがかなりでけぇ。腕力、勿論俺の方が上。ヒル魔の手首は細くて、びっくりするくらい、押さえつけやすい。

 その上、実はこいつって俺に組み敷かれた時、無茶な暴れ方はしねぇんだ。多分さ、手首とか腕とか、ひねったりして怪我しねぇように、気を付けてんだと思う。試合に出れなくなったり、支障きたしたら大変だしな。

 少しの間、もがいて暴れて嫌がってたけど、その抵抗もやがては弱々しくなってく。ヒル魔はポツリと小声で言った。

「…手ぇ、痛ぇんだよ。離せ、もう暴れねぇから」
「けど、エッチは止めねぇよ?」

 エロカメレオン…って、またボソっと言った声を最後に、ヒル魔は横を向いて目を閉じた。でも言葉は小さく続いてる。

「てめぇ、物判り、悪すぎ。察しもよくねぇし。イチイチ言わなくても、判ることとか…ねぇのかよ…」
「…って? 何、それ?」

 こんな夜中まで居座ってんだ、泊まりに来たに決ってんだろ。放っときゃいつまでも待っていやがって、ヤらしてって最後に言うんなら、もっと早く言いやがれ。こっちがエロな格好してきてやんなけりゃ、そんなことも言えねぇか。

 ヒル魔がこんなふうに思ってたかどうか、本当には判んねぇけど、でもなんか、ちょっと尖らせた唇が可愛く見えたから、そんな妄想が浮かんできた。抵抗が緩いのも、ホントはちっとも嫌じゃないからなのかも…。

「じゃあさ。今日から、お前に聞かねぇで、したいコトしていいの?」
「ことと次第によっちゃ、銃殺」

 喜んでそう言ったら、即答で死刑宣告。だからいっつもお伺い立ててんのに、結局、どうすりゃいいのか判りゃしねぇ。俺はこれ見よがしに派手なため息ついて、今後の方針をヒル魔に告げた。

「やっぱ、聞いてからヤるわ。まだ死にたくねぇし」

 真っ直ぐ見つめながら、言うのも照れちまいそうなことを、頑張って質問する。

「続き、するけど、最初に全部脱がしていいですか、ご主人様」
「聞くな馬鹿」

 また俺は溜息をつく。やっぱ、どーすりゃいいのか判んねぇ。考えた末、質問の仕方を変えてみる。

「じゃーさ。YESかNOでいーや。NOの時だけそう言って」

 そこからクイズ番組みたいで、なんか、言ってるこっちが恥ずかしすぎて笑い出しそうだった。


                                          続









 って、なんだこの展開ぃ〜っ。ちょっと…、ええと…なんだろう。書いてて面白いんですけど、どこに着地するか判らない話になってきたような気も…っ。アワアワアワアワワワワ。

 ま、しょうがない、書いちまったもんは。

 そんなわけで、次回あたりラストですけど、妙な終わり方になったらごめんなさい。ヒル魔さんの色っぽいところ、もっと書けるといいなぁ、と思っております! じゃっ!(逃)


07/07/09