ツイッタから




ツイッタ13/10/21 惑い星作


探しものが何か気付いたのは後の事さ
欄干に肘ついて川を眺める胸の芯から
いつもほろほろと零れ落ちていた憂い
やっぱり隙間だらけの生き方は寒いや
五葉の紅い楓の葉がひらりと舞う午後
欲無く腕も無さげな士がお前だったよ
運命は止め処なく流れゆく急流のよう

文頭文末さらいやサンドv



ツイッタ13/10/22 月さまによる返歌v
我儘言ってここに載せてさせて頂いたv


泡沫に流れ漂う色になぞらえて
依る所を移し続け凍えた幾夜に
誤魔化しきれたつもりの過去を
約束も無く立っていたその姿が
一切を許す如に笑んでいたから
埒も無い俺の思惑をはね除けて
差し出された手が霞んで見えた
10/22

下から文頭さらいや 






14/02/03 文頭さらいや 惑い星作

さらさらと散る思い出を数えて
来年の今頃の事を思ってみてる
いい加減に飽きのきた顔触れを
やっぱり誰かが欠けてるなんざ
ご愛想にも思えやしねかったよ
よくよく物好きばかりとみえて
うとましがらねえ俺も物好きさ


68


こころにも あらでうきよに ながらえば
こいしかるべき よわのつきかな


これっぱかりも思っちゃいねかった。
こんなうつつに永らえてぇとか。

ろくろの上でまわる土くれ、
にも関わらず、放り置かれて。
もうほら、歪んでどうにもならねぇ。
あんなふうになっちまや、
楽になんざな、なれやしねぇよ。
出来もせぬこと、分かってる。

膿んで見られぬ己の内に、
着せた見せ掛けの生き方で今日まで。

漸く、追い付いて、来なすった。
逃げ切れねぇなら、それもいいかと、
奈落の底も覚悟した。
眼前に、はらはらと、はらはらと散る、
落葉の紅、見据えつ。

得体の知れぬ、執着に、ひとたり。
ばらばらと見えては消ゆ顔、顔。
これらを仲間と、これまで、
一度たりとも、口にはせず来た。
しがらみですらない、はずの。

川面を流れる葉のように、
流浪にいつでもさらわれる身でと。
便利にただただ都合よく、
絆結ばず、人を見据えず見据えさせず。

夜の闇に、ふ、と消え、
忘れ去られてしまえるような野良猫。
の、筈が…

突き動かされるように、逃げてた。
消えてしまいたくなどないと。
欠けてはならぬものが、あった。

為すべきことを、今更に。






69


あらしふく みむろのやまの もみじばは
たつたのかわの にしきなりけり


赤い葉、橙、黄色、まだ緑のも。
乱暴に一晩吹いた風で、
敷き詰められた、とりどりの色。
不意に足止め、嬉しげに政、
紅の濃い一枚を、拾い上げる。

見てござろうか、先行く皆も、と。

無体に踏まれた跡が目立って、
ろくろく愛でられた様子もないのに、
伸べた手で二枚、三枚、沢山の。
やっぱりこうして、拾っておいてた、
まるでおたけの手のように。

伸ばして選ぶ政の手は、ふと惑い、
もう、端から枯れてきている一枚を、
見映えが悪くも捨てかねている。
時間は止まらず、流れていくゆえ、
晩秋から初冬、春夏へ、また秋へと。

果ての無い中、果て在る日々に、
違えず擦れ違わず、出会えたことへの、
尽きぬ万感、嗚呼、尽きぬおののき。
偶々に其処に居た、偶々に会えた。

野に散るこれらの、幾多の葉と葉の、
仮に、重ならなければと、今思う。
別れ別れの右と左で、触れもせず、
野辺にいつしか、腐れて消えゆき…。

二枚、三枚、四、五の、六枚…。
敷き詰められて、とりどりに、
綺麗に重なり、もしくは触れて、
なんと得難き運命だったか。

理由など初めはないも同然、
けれど今なれば、必然かのように、
良縁、連なり、離れぬ絆と。

句語句文頭拾い作




61



いにしえの ならのみやこの やえざくら
きょうここのえに においぬるかな


いつかはなどと夢にも思わぬ
二度人生があるならともかく
死んだら終いのその日暮らし
縁で出会った相手を縁で斬り

のんびりふらり流れるように
なぁお前満足に生きてるかい
楽ばかりじゃぁなくたってさ

軒の向こうにゃ真っ赤な躊躇
身ぃひとつでまたふらりふら
やべぇ仕事も楽しみながらさ
今宵の酒がうまけりゃいいと

伸べぬ手の伸べたい先の空箱

やがては終いいつかは知らぬ
縁の有れどもすがれやせずに
残念だよなぁそろそろ終わる
悔しがるとも歯噛みすれども
乱世の現に解けないしがらみ

郷里を願うも里などいらぬさ
生まれた場所より安らぐ刻を
今宵の飲む酒膿むほど甘くて
こちら向く眼差しの優しさよ
伸べぬ手にさよ寄る温もりの

縁が言うのだすがれすがれと
苦い思いもさせたというのに
似ても似つかず似ている姿の
お前が飽かずにこの身を誘う
いつからでもいつまででもと

脱げぬ過去の暗き闇もろとも
流浪終わらぬこの身に添うて
空回るだけだった木偶の歯車
泣くように軋んで地を噛んだ






67


はるのよの ゆめばかりなる たまくらに
かいなくたたむ なこそおしけれ


肌に触れる温みなどかりそめ
瑠璃にみちる幾たりの夜に
伸べられた手を幾度とろうと
寄る場所などなくながれる身
野辺に捨てられた冬の虫

ゆうらり生きてうらやましいと
目にうつる姿のそれほどに

場違いのつねびとの世へと
体を曝すむなしき痛み
輪郭だけは気ままで気らく
長い芝居のさなかのようだよ

瑠璃空も見上げずに縮こまり
堪まらぬひとりにふるえてた
真っ黒なこの暗がりをいつか
覆そうなど遠いむかしの

ラクして暮らしたい?

荷を負わず何にも追われぬよう
掻き斬り沈めたいのちの数が
今更この身にまとわりつく

ならおめぇさん邪魔だなぁ

首掻き斬って消すのさ
たったのそれだけ
たったそれだけのことは
難しくなどなかったが

長く明けぬ夜の中にいる
こんなにもひとりでなくひとり
傍の温みが真逆に痛く

お前さんらいつ去るんだい
しんしんとわらう掠れ声

けれど知らずに縋ってたから
冷笑になど見えやしないか