今回は「梅さん」から頂いたイラストを展示させて頂きます! 七枚! いや、本当はね、この何倍も頂いているんですよ。でも全部は載せられなくてなんとか選んでこの七枚! いつも本当にありがとうございますっ。ものすっっっっごく励みになっていますっ。
まず一枚目、こちらは私の書いた『牡丹』という800文字小説 ⇒ に描いて下さったイラストです。この絵のシーンは物語の中に無いです、梅さんはお話の続きを想像して描いて下さいました。
後ろから土方さんをそっと包む斎藤、その腕に、触れるか触れないかの土方さんの指先の表情。背中を向けていて見せないからこそ、している表情の、なんて綺麗なのだろうと、うっとりしました。そしてまた、大切そうに土方さんの項に口づけしている斎藤の、静かな表情もまた素敵なの。土方さんを支えてくれる、包容力を感じるのです。
梅さんが描いて下さる絵は、どれも本当に素敵で、綺麗だったりかっこよかったり可愛かったりで、当然全部大好きなのですが、中でもこの一枚が、ほんっっっとうに私の宝物となっております。一枚の絵にこれだけのものが込められている、って、凄い事なんじゃないでしょうか。
これはやはり『時差邂逅』を読んで描いて下さった絵なのですが、物語の中で「かつての土方トシゾウと斎藤ハジメがどうあったか」ということが、ちらっと書かれているんです。その「ちら」の「ちょこ」っと書かれている短い一節から、梅さんはこの絵を紡ぎ出して下さいました。
え…。なに…。何が起こったの。って思いましたね、正直。
北へ向かうトシゾウと、それに影のように寄り添っていたハジメ。北へ向かうということは、その先の無い死地へ向かうということ。それを分かってゆるぎない静かな眼差しで前を向いているトシゾウ。そんな彼を阻むもの、傷つけるものがもしもあるなら、自分が許しては置かない、という目をして、黙して添うハジメ。
この二人の間に、他に何が要るだろう…。
この二人を、いったい誰が引き割けるというのだろう…。
だけれど史実のとおり、遠くない未来に、この二人の道は分かたれてしまうのです。きっとこの時は、ハジメはそのことを思ってもみない。しかし恐らくトシゾウは、それを既に心に定めているのではないか。
だからこの時、互いの髪を乱す同じ風。そのひと吹きさえが、かけがえのないものに思えて、じっと見入らずにいられない絵なのです。
梅さん、本当にありがとうございます。